「月利10%」
EAの世界ではよく見る数字です。
もし本当に毎月10%増えるなら、
- 年利120%以上
- 複利なら数年で資産倍増
夢のように聞こえます。
ですが結論から言います。
“理論上は可能”でも、“長期継続は極めて難しい”です。
PFが高ければ月利は出る、という単純な話ではありません。プロフィットファクター単体の危険性については、こちらで詳しく解説しています。
→ 【プロフィットファクター1.5でも勝てない理由】
なぜ月利10%は魅力的に見えるのか?
理由は単純です。
例えば、
- 1回の期待値:0.5R
- 月20回取引
- リスク1%
0.5 × 20 = 10R
→ 月利10%(理論値)
数字上は成立します。
しかしここに大きな前提があります。
前提①:そのPFと期待値は安定しているのか?
期待値0.5Rを出すには、
- PF1.5前後
- 取引回数安定
- DD抑制
が必要になります。
しかしPFを上げると、
- 取引回数減少
- DD増加
- 過剰最適化
が起きやすい。
PF記事でも書いた通り、数字は簡単に“盛れる”のです。
前提②:最大ドローダウンを許容できるか?
月利10%を狙う設計は、
- DD30〜50%
- 連敗耐性低下
になりやすい。
例えば、
月利10%でも最大DD40%なら?
途中で止めれば意味がありません。
重要なのは、
継続できるかどうか
です。
GENESISの場合
- PF:約1.17
- 月5〜7回取引
- DD10%未満
期待値は約0.17R。
0.17 × 6 ≒ 1R
→ 月1%前後
派手ではありません。
しかし、
- 10年検証
- 大崩れなし
- DD抑制
長期前提なら、こちらが現実的です。
凜の場合
- PF:約1.47
- 月1〜2回
理論上の効率は高い。
しかし、
- 月ゼロの可能性
- 停滞期間長期化
心理的に厳しい。
PFが高くても、月利は安定しません。
AXIS型の考え方
PF1.2前後
取引回数安定
DD抑制
この“地味な設計”こそ、
月利よりも「破綻しない期待値」
を目指しています。
投資とEA運用を冷静に比較するとどうなるか?
EAの話になると、よくこう言われます。
「インデックス投資の方が安全」
「長期積立の方が堅実」
確かに一理あります。
しかし、“年利”だけで比較していないでしょうか?
本当に見るべきなのは、
年利 ÷ 最大ドローダウン
つまり、どれだけの下落リスクで、どれだけのリターンを得ているかです。
一般的な長期株式投資の現実
世界株式インデックスを例にすると、
- 長期平均年利:3〜7%前後
- 最大ドローダウン:▲30〜▲50%
実際、
- リーマンショック:約▲50%
- コロナショック:約▲30%
といった下落は、過去に何度も発生しています。
つまり、
年利5%を狙う代わりに、
一時的に資産が40%前後減る可能性を受け入れる
これが株式投資の構造です。
バランス型投資の場合
株式+債券などのバランス型では、
- 年利:2〜5%
- 最大DD:▲15〜▲30%
リスクはやや抑えられますが、リターンも下がります。
EA運用と比較してみる
例えば、
■ GENESIS型設計
- 想定年利:10〜15%前後
- 最大DD:10%未満
この場合、
年利12% ÷ DD10% = 1.2
一方、
株式投資(年利5%、DD40%)なら、
5% ÷ 40% = 0.125
もちろん単純比較はできません。
市場の信頼性や流動性、制度的保護など、株式には強みがあります。
しかし、“リスクに対する効率”という観点では、設計次第でEAは十分競争力を持ち得ます。
積立投資だから安全、は誤解
よくある誤解に、「積立ならDDは小さい」というものがあります。
しかし、積立は取得単価を平準化するだけで、
市場全体が40%下落すれば、
評価額も同様に下落します。
DDは消えません。
本当に考えるべき問い
重要なのは、
✔ 自分は何%の下落に耐えられるか
✔ 何年継続できるか
✔ リスク1%運用を守れるか
です。
EAが優れている、株式が優れている、という単純な話ではありません。
結論:見るべきは「年利」ではない
年利だけを見ると、
- 月利10%は魅力的
- 年利5%は物足りない
と感じます。
しかし本質は、
どれだけのDDで、どれだけの期待値を出しているか
です。
EAも投資信託も、勝敗を分けるのは“設計と継続”。
派手な数字ではありません。
月利10%を追う人が陥る罠
- リスクを上げる
- DD拡大
- 連敗で停止
- 損失確定
これが典型的な流れです。
本当に目指すべきライン
現実的ゾーンは:
- PF1.1〜1.3
- 月5〜10回
- DD15%未満
- リスク1%運用
これで年利10〜15%前後。
地味ですが、続けられる設計です。
まとめ
月利10%は理論上可能。
しかし、
- DD耐性
- 精神的継続力
- 相場変化耐性
を考えると、長期継続は難しい。
EA運用で本当に重要なのは、
“増やす力”ではなく“生き残る力”
です。
実際の設計思想と検証データはこちらで公開しています。
→ 【GENESIS商品ページ】
