EA開発は華やかに見えるかもしれません。
ですが実際は、ほとんどが「うまくいかない時間」です。
この記事では、GENESIS・凜・AXISの3つのEAを開発した過程で実際に起きたことをベースに、EA開発のリアルを解説します。
結論から言うと、EAは「作る」ものではなく「削る」ものです。
最初にぶつかる壁:全部うまくいく
最初に作ったロジックは、だいたいバックテストで勝ちます。
・PF1.5以上
・DD10%未満
・右肩上がりの綺麗なカーブ
一見すると「これで完成では?」と思うレベルです。
ですが、この段階のEAはほぼ例外なく崩れます。
なぜか。
答えはシンプルで、「過去に最適化されているだけ」だからです。
GENESIS開発初期:理解不足からの迷走
GENESISの初期は、今振り返るとかなり危険な状態でした。
・ロジックの意味を理解せずに調整
・数値を変えれば良くなると思っていた
・検証の優先順位がバラバラ
結果、バックテストは良いのにフォワードで全く機能しないという状態に。
ここで初めて気づきます。
「ロジックを作る前に、検証の型が必要だ」と。
凜の開発:相場に勝とうとして負ける
凜ではアノマリーをベースに設計しました。
ここでぶつかったのが「祝日問題」です。
祝日前に相場が崩れる傾向があり、それを回避するために
・エントリーを前倒しする
・条件を緩める
といった調整を行いました。
バックテストは改善。
しかしフォワードでは効果が薄い。
最終的にこのロジックは採用しませんでした。
ここで得た学びは明確です。
「例外対応を増やすほど、EAは弱くなる」
AXISの開発:ロット調整の罠
AXISではトレンドフォローをベースに設計しました。
問題になったのはロット制御です。
当初はロット可変を採用し、リスクに応じて調整する設計にしていましたが、結果は不安定。
・DDが急増
・勝率がブレる
・収益カーブが荒れる
ここで思い切って固定ロットへ変更。
さらに偶数ロットという制約を入れたことで、挙動が安定しました。
EAは「柔軟な方が良い」と思いがちですが、実際は逆です。
「制限した方が強くなる」
3つのEA開発で共通していたこと
3つのEAを作る中で共通していたのは、次の3点です。
① 最初のロジックは必ず壊れる
どれだけ自信があっても、フォワードで崩れます。
② 改善は“追加”ではなく“削除”
条件を増やすほど、再現性が落ちます。
③ 数字より構造
PFや勝率よりも、「なぜ勝っているか」の構造が重要です。
EA開発で一番重要な考え方
EA開発で最も重要なのは「再現性」です。
・同じ環境で同じ動きをするか
・市場が変わっても崩れないか
ここを無視すると、どれだけ良い数字でも意味がありません。
実際、GENESISもアップデートを重ねているのは「成績を上げるため」ではなく「崩れないため」です。
まとめ
EA開発は「正解を見つける作業」ではありません。
・崩れる
・原因を探す
・削る
・また崩れる
この繰り返しです。
そして最後に残るのが、「シンプルで壊れにくいロジック」です。
これが、3つのEAを開発してたどり着いた結論です。
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