EAを運用するうえで、最も重要な設定の一つが「ロット」です。
EA初心者の方からよくある質問がこれです。
- ロットはどれくらいで運用すればいいですか?
- 10万円なら0.1ロットでも大丈夫ですか?
- 月利を上げたいのでロットを増やしてもいいですか?
結論から言うと、ロットは利益目標ではなく最大ドローダウンから決めるものです。
これは多くのEA紹介ブログではあまり語られない部分ですが、実際にEAを開発し、長期運用していくと必ずこの考え方に行き着きます。
EA-Labでも、GENESIS・AXIS・凜の3つのEAを開発する過程で、この「ロット設計」がいかに重要かを何度も痛感しました。
今回は、EAを長期運用するための正しいロット設定方法を解説します。
ロット設定を間違えるとEAは必ず破産する
実際にEAで資金を溶かしてしまう人の多くは、ロット設定を誤っています。
まず前提として理解しておくべきことがあります。
それはどんなEAでもドローダウンは必ず発生するということです。
バックテストやフォワードテストを見ても、利益曲線は一直線には伸びません。
必ず
- 負けが続く期間
- ドローダウン期間
- 回復期間
が存在します。
このとき、ロットが大きすぎると何が起きるか。
ドローダウンの途中で資金が耐えられず破産します。
つまりEAで長期運用できるかどうかは
- エントリーロジック
- 勝率
- プロフィットファクター
ではなく、最終的にはロット設定で決まると言っても過言ではありません。
ロットは「最大ドローダウン」から決める
まずはバックテストの数値を正しく理解する必要があります。
バックテストの見方が分からない方は、先にこちらの記事を読んでおくと理解しやすくなります。
EA-Labではロット設定を次の手順で決めています。
①最大ドローダウンを確認する
まずバックテストの最大ドローダウンを確認します。
例えば
最大DD:20%
だった場合、これは同じ相場環境なら20%程度の資金減少が起きる可能性があるという意味になります。
ただし、ここで注意が必要です。
バックテストのDDは実際より軽く出ることが多いです。
そのためEA-LabではバックテストDD ×2〜3倍を想定してロットを決めます。
②許容ドローダウンを決める
次に「どこまで資金減少を許容できるか」を決めます。
EA-Labでは基本的に最大DD10〜15%以内を目安にしています。
なぜかというと、20〜30%のドローダウンは精神的にかなりきつく、多くの人がそこで運用を止めてしまうからです。
EAは「続けること」が何より重要です。
そのため、心理的に耐えられる範囲でロットを設定する必要があります。
③ロットを逆算する
例えば
バックテストDD:20%
想定DD:40%(×2)
このEAを最大DD10%以内で運用したい場合。
ロットは
10 ÷ 40 = 0.25
つまりバックテストロットの25%で運用するのが安全ラインになります。
EA-LabのEA開発でもロット設計は最重要だった
EA-Labではこれまで
- GENESIS
- AXIS
- 凜
という3つのEAを開発してきました。
この開発過程でも、ロット設計は何度も見直しています。
例えばGENESISの初期バックテストでは
- PFは悪くない
- 勝率も問題ない
- DDも低め
という結果でした。
しかし取引数を増やして検証していくと、相場条件によってはドローダウンが大きくなる期間があることが分かりました。
このときに行ったのは
- ロジック改善
- フィルター追加
- 取引時間調整
ですが、同時に必ず行うのがロット設計の再計算です。
EA開発では
- PFを上げる
- 勝率を改善する
といったロジック部分に目が行きがちですが、実際の運用で重要なのはどのロットなら長期運用できるかです。
EA-Labではこの視点を非常に重視しています。
月利からロットを決めるのは危険
EA初心者がやりがちな失敗が月利からロットを決めることです。
例えば
「月10%欲しい」
という理由でロットを決めるケースです。
しかしこれは非常に危険です。
なぜなら利益とドローダウンは比例するからです。
ロットを2倍にすると
- 利益も2倍
- ドローダウンも2倍
になります。
つまり月利20%を狙うロットは破産確率も大幅に上がるということです。
EA-Labでは基本的に月利より生存率を優先しています。
EA運用で最も重要なのは「長期生存」
EA運用で最も重要なのは破産せずに長く運用できることです。
短期間で大きな利益を狙うよりも
- DDを抑える
- ロットを抑える
- 長く運用する
この方が結果的に資産は増えていきます。
EA-LabのEAもすべて長期運用前提で設計しています。
ロット設定を間違えると、どれだけ優秀なEAでも意味がありません。
EAを運用する際は「いくら稼げるか」ではなく「どれだけ安全に運用できるか」を基準にロットを設定するようにしましょう。
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