EAを運用していると、必ず一度はこの疑問にぶつかります。
「このEA、いつ止めるべきなんだろう?」
含み損が増えたとき。
ドローダウンが続いたとき。
数週間利益が出ないとき。
多くの人はここで不安になり、EAを止めてしまいます。
ですが実は、その判断のほとんどは間違っています。
EAを止めるタイミングは感覚ではなく、明確な基準で決める必要があります。
この記事では、EAを長期運用するために重要な
・EAを止めるべきタイミング
・止めてはいけないタイミング
・開発者視点での判断基準
を解説します。
EAを長く安定運用したい人は、ぜひ参考にしてください。
EAを「損失」で止めてはいけない理由
まず結論から言います。
EAは損失で止めるものではありません。
なぜなら、EAには必ず
・連敗期間
・ドローダウン期間
・利益が出ない期間
が存在するからです。
例えば、私たちが開発した3つのEA
- GENESIS
- AXIS
- 凜
この3つもバックテストでは、必ずドローダウン期間が存在しています。
むしろ、「ドローダウンが存在しないEA」はほぼ確実に過剰最適化です。
EAは確率のゲームです。
10回勝って5回負けるEAなら、
5連敗することも普通に起こります。
それなのに「負けたから止める」という判断をしてしまうと、勝つ確率の部分を自分で切り捨てることになります。
これが、EA運用で負ける人の典型パターンです。
EAを止めるべき3つのタイミング
では、EAはいつ止めるべきなのでしょうか。
EA開発と運用の経験から言えるのは、主にこの3つです。
① 最大ドローダウンを超えたとき
これは最もシンプルで重要な基準です。
例えば
バックテスト
最大DD:15%
このEAを運用しているなら実運用DD20%を超えたら停止などのルールを決めておきます。
なぜ少し余裕を見るのかというと、
・スプレッド
・約定
・スリッページ
・市場環境
などにより、フォワードはバックテストより悪化することがあるからです。
EA-Labでは基本的にバックテストDD ×1.5倍くらいを停止ラインとして考えています。
② 想定取引数を大きく下回ったとき
これは意外と重要なポイントです。
例えば
バックテスト
月平均取引:20回
なのに
実運用
月3回
こういう状態になった場合、ロジックが市場に合っていない可能性があります。
取引が少なすぎるEAは
・市場条件が変わった
・トレンド構造が変わった
・ボラティリティが変わった
可能性があります。
つまりEAの優位性が発揮されていない状態です。
この場合は一度停止して検証するのが安全です。
③ PFや勝率が大きく崩れたとき
EAのロジックが崩れているかどうかは
・PF(プロフィットファクター)
・勝率
・平均利益
などを見ればわかります。
例えばバックテスト
PF1.5
勝率55%
だったEAが
フォワードで
PF0.7
勝率35%
などになっている場合。
これは明確にロジックの前提が崩れています。
この場合は運用を停止して、
・相場環境
・ロジック
・パラメータ
の再検証を行うべきです。
開発中のEAでも同じ判断をしている
EA-Labで開発した
GENESIS
AXIS
凜
この3つのEAも、実は開発中に何度も停止判断をしています。
例えばGENESISも、最初のロジックでは
・PFが低い
・取引数が多すぎる
・ドローダウンが大きい
という問題がありました。
そこで
・時間帯のフィルター
・ボラティリティ条件
・エントリー条件
を何度も修正しています。
AXISや凜でも同じです。
EAは一度作ったら完成ではなく、検証 → 停止 → 改良この繰り返しで精度を上げていくものです。
EAを止めることは失敗ではなく、改善のための判断です。
EAを止めてはいけないタイミング
逆に、絶対にやってはいけないのが感情停止です。
例えば
- 3連敗した
- 1週間利益が出ない
- SNSでEAが危険と言われていた
こういう理由で止める人は本当に多いです。
ですがこれは完全に感情トレードです。
EAを使う意味がありません。
EAは「事前に決めたルールで運用するツール」です。
停止ルールも含めて、運用ルールを決めてから稼働することが重要です。
EAを長期運用するために必要な考え方
EAを長期運用する人と、途中で辞めてしまう人の違いは停止基準を持っているかどうか
これだけです。
EA-Labでは基本的に
- 最大DD
- PF
- 取引回数
- 勝率
この4つを見て判断しています。
逆に言うと、この4つが崩れていない限りEAは止めません。
短期の結果でEAを止めてしまうとEAの期待値を自分で破壊してしまいます。
EAは短距離走ではなく、長距離運用です。
長く安定して利益を積み上げるためには感情ではなくデータで判断する
これが最も重要です。
まとめ
EAを止めるタイミングは感覚ではなく、数値ルールで決めるべきです。
停止の判断基準は主にこの3つです。
・最大ドローダウンを超えた
・取引数が大きく減った
・PFや勝率が崩れた
逆に
・数回負けた
・短期間利益が出ない
という理由で止めるのは間違いです。
EAは短期の結果ではなく、長期の確率で利益を出すツールです。
EAを正しく運用するためにも、停止ルールを事前に決めておくこと
これが最も重要なポイントになります。
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