EA(自動売買)を選ぶ際、多くの人が気にするのが「最大DD(ドローダウン)」です。
よく見る基準が「DD10%以内なら安全」「DD20%は危険」といった目安ですが、本当に10%という数字だけで安全性は判断できるのでしょうか?
今回はEA-Labでの開発経験を踏まえながら、最大DD10%の本当の意味と、正しいリスクの見方を解説します。
最大DD(ドローダウン)とは何か?
最大DDとは、資金のピークからどれだけ減少したかを示す最大下落率です。
- 資金100万円 → 90万円まで下落 → 最大DD10%
- 資金100万円 → 80万円まで下落 → 最大DD20%
つまり「最悪どこまで減る可能性があるか」の目安です。
ただし重要なのは、DDは結果であって原因ではないという点です。
最大DD10%は本当に安全なのか?
結論から言うと、10%だから安全とは限りません。
なぜなら、DDは以下の要素で大きく変わるからです。
① ロット設定で簡単に変わる
同じロジックでもロットを2倍にすればDDもほぼ2倍になります。
つまり、DDは設計の優劣だけでなく「運用者の設定」に依存します。
② 取引回数との関係
月1〜2回のEAでDD10%と、月20回のEAでDD10%では意味が違います。
前者は「一撃で大きく負ける設計」の可能性があります。
③ PFとのバランス
PF1.1でDD10%と、PF1.5でDD10%では期待値がまったく違います。
DD単体ではなく、PF(プロフィットファクター)とのバランスが重要です。
EA-LabがDDをどう設計しているか
EA-Labでは、単純にDDを小さく見せる設計は行っていません。
例えばGENESISは10年バックテストで最大DD8.69%ですが、これは
- ロット固定で無理に抑えた数字ではない
- リスク1%想定での自然な結果
- 年単位で崩れない設計の副産物
つまり、DDを削るための最適化はしていないということです。
DDを過度に抑えると、逆に期待値を削りすぎて「稼げないEA」になります。
DD10%が危険になるケース
以下の場合、DD10%でも注意が必要です。
- 取引回数が極端に少ない(再現性が低い)
- フォワード実績がない
- 特定年に極端な偏りがある
- パラメータ最適化で無理に削っている
特に「直近だけ綺麗」なEAは要注意です。
取引回数に関してはこちらで詳しく掘り下げています。
▶取引回数が少ないEAは価値があるのか?
本当に見るべき3つの指標
1. PFとのバランス
最低でもPF1.2前後は欲しいところです。
2. 年単位での安定性
単年で大きく崩れていないか。
3. 取引回数
統計的に十分な母数があるか。
DD10%という数字より、「その10%がどう作られたか」を見ることが重要です。
結論:DDは小さいほど良いわけではない
最大DD10%は一つの目安ですが、それだけで安全とは言えません。
重要なのは、
- PFとのバランス
- 年単位の安定性
- 取引回数との整合性
EA選びで失敗する人は「数字単体」で判断します。
稼げる人は「構造」で判断します。
DDは恐れるものではなく、理解するものです。
EA-Labが開発したEAでバックテストの各項目を比較している記事があるので、参考にして頂ければ幸いです。
