EAは感情に左右されない。
これは間違いありません。
だからこそ、「裁量より楽そう」と思われることがあります。
実際、私自身もEA運用を始める前はそう考えていました。
- チャートを見続ける必要がない。
- 感情でエントリーしない。
- 仕事中でも動いてくれる。
確かにその通りです。
ですが、実際に長期運用してみると見えてくる現実があります。
それは、EAでもメンタルは削られるということです。
むしろ状況によっては、裁量トレード以上に精神的に苦しくなるケースすらあります。
今回はGENESIS・凜(RIN)・AXISの開発とフォワードテストを通して感じたことも交えながら、EA運用でメンタル崩壊する人の特徴について解説します。
EAなら感情が消えるわけではない
まず大前提として知っておいてほしいことがあります。
EAは感情を消してくれるツールではありません。
感情でトレードしなくなるだけです。
ここを勘違いしている人は少なくありません。
例えば、
- 連敗する
- DDが続く
- 利益が伸びない
- 停滞期間が長い
こうした状況になると、人間は普通に不安になります。
つまり、EAが感情を持たないのであって、運用者は感情を持ったままです。
ここが裁量との大きな違いでもあります。
裁量は「自分で決めた感」がある
裁量トレードの場合、負けても納得しやすい部分があります。
自分でエントリーした。
自分で決済した。
つまり、自分で選んだ結果だからです。
ところがEAは違います。
自分では何もしていない。
なのに資金が減る。
これが想像以上にストレスになります。
特に初心者の方は、「何もしていないのに負ける」という状況に強い不安を感じます。
GENESISのフォワードでも感じた停滞の怖さ
GENESIS開発時も、フォワードテストで停滞期間がありました。
ロジック上は問題ない。
バックテストとも大きくズレていない。
それでも、利益が出ない期間は存在します。
開発者である私たちですら、「そろそろ抜けてほしいな」と思うことがあります。
まして利用者側ならなおさらです。
多くの人は損失よりも、停滞に耐えられません。
EAに不安を感じる気持ちは大いに理解できます。そんな時の対策としてまとめた記事があるので参考にしてみてください。
メンタル崩壊する人の特徴① 期待値より結果を見る
これは非常に多いです。
例えば、期待値がプラスのEAがあるとします。
本来見るべきなのは、
100回後
200回後
の結果です。
ですが実際には、昨日負けた / 今週負けた / 今月負けたを見てしまう。
すると、期待値ではなく感情で判断するようになります。
EA運用で最も危険な状態です。
損切りがメンタルに与えるダメージは相当なものです。
許容する心構え等についてまとめた記事はこちら。
メンタル崩壊する人の特徴② ロットが大きすぎる
これは断言できます。
資金管理の問題です。
例えば、本来0.1ロットが適正なのに、0.5ロット / 1ロットで運用する。
すると、DDが来た瞬間に精神が崩壊します。
EA-Labで何度も言っている通り、人は損失額に耐えられません。
耐えられない運用は、続きません。
裁量と同じようにEAも資金管理が全てと言っても過言ではありません。
資金管理についてはこちらもご参照ください。
凜(RIN)で見えた「待つ力」
凜はアノマリー型です。
相場環境によっては、非常に静かな期間があります。
その時、初心者ほど触りたくなります。
- 設定変更したくなる。
- 停止したくなる。
- 別EAへ乗り換えたくなる。
ですが、そこで触ると期待値が崩れます。
凜の開発で強く感じたのは、勝つ力より待つ力の方が重要ということでした。
メンタル崩壊する人の特徴③ EAを信じていない
意外かもしれませんが、多くの人はEAを信じていません。
本当に信じているなら、DD期間も継続できます。
ですが実際は、
- 少し負ける
- 不安になる
- 停止する
となります。
これはEAが悪いのではなく、ロジックを理解していないことが原因です。
EA-Labで開発思想やロジック解説記事を多く書いているのもこのためです。
EAを信じられず稼働に介入する気持ちはよくわかりますが、なるべく避けて欲しい行動です。
AXIS開発で重視した「理解できる負け方」
AXIS開発時、私たちは負け方をかなり重視しました。
トレンドフォロー型なので、レンジでは苦戦します。
これは避けられません。
ですが、なぜ負けるかが理解できる。
これが重要です。
意味のわからない負け方は不安になります。
理解できる負け方なら耐えられます。
メンタル崩壊する人の特徴④ 聖杯を探している
EA運用で最も危険な考え方かもしれません。
- 「負けないEAが欲しい」
- 「DDがないEAが欲しい」
- 「毎月右肩上がりが欲しい」
こう考えている人ほど苦しみます。
なぜなら、そんなEAは存在しないからです。
GENESISも、
凜も、
AXISも、
負けます。
停滞します。
DDもあります。
それ込みで期待値がプラスになるよう設計しています。
実は裁量より辛いケースもある
ここが今回のタイトルの答えです。
裁量なら、負けても自分で何かできます。
EAは何もできません。
待つしかない。
だから、コントロールできない不安が発生します。
これが人によっては裁量より辛い。
実際、EAを止める人の多くは、損失額ではなく、不安に負けています。
EA運用で本当に必要な能力
テクニカル分析でもありません。
相場予想でもありません。
本当に必要なのは、継続力です。
期待値を信じて続ける。
ロットを守る。
ルールを守る。
これができる人は長く生き残ります。
逆にできない人は、どれだけ優秀なEAを使っても結果が出ません。
EAを続ける事について不安がある方はこちらも参考になるかと思います。
まとめ
EAは感情を排除してくれるツールではありません。
感情でトレードしなくなるだけです。
実際の運用では、
- 停滞期間
- ドローダウン
- 連敗
によって精神的な負荷は発生します。
GENESIS・凜・AXISの開発と運用を通して感じたのは、EA運用で成功する人は、相場を読む人ではなく、継続できる人だということです。
EAは魔法ではありません。
だからこそ、期待値を理解し、適切な資金管理を行い、長く続ける。
それが最も重要なスキルなのだと思います。