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EA販売者はどんな基準でEAを公開するのか|開発者が正直に答えます

「このEA、本当に大丈夫なのか」

EAを買う前に、誰もが一度は思うことだと思います。販売サイトを見ても、バックテストの数字しか載っていない。開発者のコメントは抽象的で、何を根拠に公開しているのかわからない。

実際にEAを作って販売している立場から言うと、EA販売者によって「公開基準」は大きく違います。 中には基準と呼べるものが存在しないまま販売されているケースもあります。

この記事では、EA-LabがGENESIS・凜・AXISを公開するまでにどういう判断をしてきたか、開発から販売に至るまでの流れを正直に書きます。

EA販売者は大きく3タイプに分かれる

まず前提として、EA販売者には大きく3つのタイプがあります。

①開発者本人が販売するタイプ

ロジックを自分で考え、コードを書き、検証して販売するパターンです。EA-Labはこれにあたります。開発の意図・失敗・改良の過程を当事者として説明できる分、透明性は高くなります。

②外注・仕入れ販売タイプ

プログラマーに発注したり、海外のEAを仕入れて国内向けに販売するパターンです。悪いとは言い切れませんが、ロジックの中身を開発者レベルで理解していないケースがあります。質問しても「仕様です」としか答えられない販売者はこのタイプであることが多いです。

③量産・コピーEAタイプ

同じロジックベースで通貨ペアや時間足だけ変えて複数販売するパターンです。バックテストの数字だけは良く見せることができるため、見分けにくい。

どのタイプかを外から判断するのは難しいですが、「開発者自身がどこまで説明できるか」がひとつの目安になります。

EA-Labが公開を決めるまでの流れ

EA-Labでは、EAを公開するまでに以下のステップを経ています。

①ロジック設計

まず「なぜこのトレードが機能するのか」を言語化します。GENESISであれば「レンジ形成後のブレイクアウトでトレンドが発生する」という相場構造の話です。ロジックとして説明できないものは、最初の段階でボツにしています。

②10年バックテスト

EA-Labでは必ず10年間のバックテストを行います。短期間のバックテストだと、たまたまその期間に相性の良かっただけの結果になる可能性があるからです。10年という期間には、リーマンショック後・欧州債務危機・コロナ禍・円安ショックなど様々な相場環境が含まれます。この期間を通じて安定したPFが出ているかどうかを確認します。

確認する指標はPF・最大DD・取引回数・勝率の4つです。現在公開している3つのEAの10年バックテスト結果は以下の通りです。

  • GENESIS:PF1.17 / DD8.69% / 取引数1,223 / 勝率69.99%
  • 凜:PF1.47 / DD7.20% / 取引数451 / 勝率79.16%
  • AXIS:PF1.25 / DD12.49% / 取引数1,186 / 勝率67.20%

PFが極端に高い数値ではないことは意図的です。EA-LabではPF1.2前後を現実的な長期運用の基準としており、見栄えの良い数値より再現性を優先しています。

③フォワードテスト

バックテストが基準を満たしたら、フォワードテストに移行します。リアル相場での検証です。最低でも3ヶ月、理想は6ヶ月以上を目安にしています。

フォワードでは必ず想定外の問題が出ます。GENESISでは、バックテストでは安定していたロジックがフォワードに入るとダマシの影響を受けやすい局面が出ました。凜では祝日前後の挙動に問題が出て、対策ロジックを検討したものの過剰最適化のリスクが高いと判断して不採用にしました。AXISではロット可変方式を試したところDDが不安定になり、固定ロットに変更しました。

このようにフォワードで出た問題への対処を繰り返した上で、公開の判断をしています。

④公開基準のチェック

EA-Labの公開基準は以下の通りです。

  • 10年バックテストでPF1.2以上
  • 最大DD10%未満(AXISは若干超えているが許容範囲と判断)
  • 取引回数が統計的に有意な水準(数百回以上)
  • フォワードで極端な乖離がないこと
  • ロジックを言語化できること

この基準を満たさないEAは公開しません。実際に開発途中でボツにしたロジックが複数あります。

「公開基準がない」EAをどう見分けるか

EA販売サイトを見るとき、以下の点を確認することで公開基準の有無がある程度わかります。

フォワードテストの実績があるか

バックテストだけのEAは要注意です。フォワード実績がない、あるいは期間が極端に短い場合は、リアル相場での検証が不十分な可能性があります。EA-Labではフォワードを公開していますが、中には「フォワードは準備中」のまま販売しているケースもあります。

開発者がロジックを説明できるか

「独自の複合ロジック」「秘伝のアルゴリズム」といった抽象的な説明しかない場合、ロジックの中身を説明できない可能性があります。EA-Labではロジックの概要は必ず公開しています。完全なコードの公開は難しくても、「なぜそのトレードをするのか」の説明は可能なはずです。

バックテストの数値が現実的か

PF3.0・月利30%・DD3%といった数値が並んでいる場合、過剰最適化(カーブフィッティング)の可能性が高いです。長期運用で安定しているEAは、PF1.2〜1.5程度の現実的な数値に収まることがほとんどです。

販売者が運用上の問題を正直に話しているか

「このEAは完璧ではない」「この相場環境は苦手」という説明ができる販売者は、EAの中身を理解している可能性が高いです。逆に問題点を一切説明しないケースは注意が必要です。EA-Labでも凜やAXISのフォワード停止期間について理由を公開しています。

EA-Labが「低いPF」で公開する理由

EA-Labの3つのEAは、PFが1.2〜1.5の範囲に収まっています。他の販売サイトと比べると「地味な数値」に見えるかもしれません。

これは意図的な判断です。

高いPFを出すためにパラメータを過剰最適化すれば、バックテスト上の数値は改善します。しかしその数値はフォワードで再現されません。EA-Labが目指しているのは「長期間、フォワードで再現できる成績」であり、バックテストの見栄えではありません。

PF1.2で10年安定している方が、PF3.0で半年後に崩れるEAより価値があると考えています。この思想が公開基準の根本にあります。

まとめ

EA販売者がEAを公開する基準は、販売者によって大きく異なります。

EA-Labの公開基準は、10年バックテストでの安定性・フォワードでの検証・ロジックの説明可能性の3点です。この基準を満たさないEAは公開しないという判断を、実際に複数のロジックに対して行ってきました。

EAを選ぶときは、バックテストの数値だけでなく「販売者がどこまで説明できるか」を確認することが、失敗しない選び方につながります。

EA選びの判断基準についてはこちらも参考にしてください。

バックテスト結果の正しい見方はこちらで詳しく解説しています。

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