EAを運用していると、避けて通れないのが連敗です。
最初は順調に利益が出ていたEAでも、
- 3連敗
- 5連敗
- 10連敗
と負けが続くことがあります。
その瞬間、多くの人がこう考えます。
「このEA、壊れたのでは?」
「もう停止した方が良いのでは?」
しかし、EAを3本開発してきた経験から言うと、連敗したという理由だけで停止するのは非常に危険です。
なぜなら、EAには最初から負ける期間が組み込まれているからです。
重要なのは、「何回負けたか」ではなく、その連敗が想定内なのか、想定外なのかという視点です。
今回は、EA運用で何連敗まで許容するべきか、停止判断とは何が違うのかについて解説します。
連敗回数だけで停止してはいけない理由
まず結論から言います。
「5連敗したら停止」
「10連敗したら終了」
という共通の基準は存在しません。
なぜなら、EAによって勝率やロジックが全く違うからです。
勝率80%のEAと勝率40%のEAでは意味が違う
勝率という数字は、取引回数とセットで見る必要があります。少ない取引で高勝率を出しているだけでは、信頼できる結果とは言えません。
例えば、勝率80%のEAで10連敗した場合。
これはかなり異常な可能性があります。
一方で、勝率40%のEAで10連敗した場合。
相場環境によっては起こり得ます。
同じ10連敗でも、EAの性質によって意味は全く異なります。
バックテストで最大連敗を確認する
開発者が必ず確認する数字のひとつが最大連敗数です。
例えば、過去10年間のバックテストで
最大連敗:8回
だったEAがあるとします。
このEAが実運用で6連敗した場合。
それは想定内です。
むしろ、バックテスト通りの動きをしているとも言えます。
しかし、最大連敗が8回だったEAが15連敗した場合。
これは相場環境の変化や、ロジックの問題を疑う材料になります。
連敗とドローダウンは別の問題
初心者が混同しやすいのが、「連敗」と「ドローダウン」です。
連敗数だけでなく、ドローダウンがどの程度まで許容できるのかという考え方も、EA運用では非常に重要です。停止判断について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
連敗数が少なくても大きく負けることはある
例えば、勝率90%のEAでも、たった1回の大損失で大きなドローダウンになることがあります。
逆に、10連敗しても、1回の損失が小さいEAなら大きな問題にならない場合もあります。
つまり、連敗数だけではEAの危険性は判断できません。
本当に見るべきなのは資金曲線
EA運用では、
- 連敗回数
- 損失額
- 最大ドローダウン
- 資金曲線
を総合的に見る必要があります。
私たちがGENESIS・AXIS・凜を開発していた時も、単純に勝率を上げることは目指しませんでした。
勝率だけを追求すると、損失を先送りするような危険なロジックになる場合もあります。
重要なのは、「負け方が想定できるEA」にすることでした。
何連敗から注意するべきなのか
では、実際には何連敗したら注意するべきなのでしょうか。
ここで参考になるのが、バックテストの最大連敗です。
最大連敗の80%程度で警戒する
これは絶対的なルールではありませんが、私なら、バックテスト最大連敗の80%程度
に近づいた時点で注意します。
例えば、
過去最大連敗:10回
なら、
7〜8連敗の段階で、
- 相場環境は変化していないか
- 取引内容に違和感はないか
- エントリー条件がおかしくないか
を確認します。
最大連敗を超えたら即停止ではない
ここも重要です。
バックテストは過去データです。
実運用では、バックテストを超える連敗が発生することもあります。そのため、フォワード実績で実際の負け方を確認することも重要です。
未来の相場では、それを超える連敗が起きることも当然あります。
例えば、過去最大8連敗だったEAが、9連敗した。
この時点で即停止する必要はありません。
確認するべきなのは、「想定外の動きをしているのか」です。
GENESIS・AXIS・凜開発で感じたこと
3つのEAを開発する中で、最も難しかったことのひとつが、「どこまで負けを許容するか」でした。
開発初期は、できるだけ連敗を減らしたいと考えていました。
しかし、連敗を極端に嫌って条件を厳しくすると、
- 取引回数が減る
- チャンスを逃す
- 相場への適応力が下がる
という問題が出てきました。
逆に、多少の負けを許容した方が、長期的に安定するケースも多くありました。
これは実際にEAを作ってみて初めて理解できたことです。
EAにとって重要なのは、「絶対に負けないこと」ではありません。
「想定した負け方をすること」だと考えています。
EAを停止する本当の判断基準
最後にお伝えしたいのは、連敗=停止ではないということです。
停止を考えるべきなのは、
① バックテストやフォワードで経験したことのない異常な負け方
想定していた範囲を大きく超えている場合は注意が必要です。
② 相場環境の変化でロジックが機能していない
以前は得意だった環境でも、相場の性質が変わることがあります。
③ ドローダウンが許容範囲を超えている
連敗回数ではなく、資金に対してどれだけ損失が出ているかも重要です。
まとめ
EAで何連敗まで許容するべきかという問いに、共通の答えはありません。
重要なのは、
- 勝率
- 最大連敗数
- 取引回数
- ドローダウン
- 資金曲線
をもとに判断することです。
3連敗したから危険。
10連敗したから終了。
という単純なものではありません。
私たちがGENESIS・AXIS・凜を開発する中でも、負ける期間を完全になくすことはできませんでした。
むしろ、負けることを前提に、「その負けが許容できるか」を考えて設計しています。
EA運用で本当に大切なのは、連敗を恐れてすぐ停止することではなく、想定内の負けと想定外の負けを見極めることです。