EAを運用していると、一度はこんな場面に遭遇します。
- 連敗が続いた
- 含み損が大きくなった
- ドローダウンが気になる
- 相場環境が変わった気がする
そんな時、「一旦EAを停止した方が良いのでは?」と考える方は少なくありません。
実際、EAを停止すること自体は悪いことではありません。
問題は、なぜ止めるのか、そしていつ再開するのかを決めずに停止してしまうことです。
私自身、GENESIS・AXIS・凜という3つのEAを開発する中で、バックテストやフォワードテストを何度も繰り返してきました。
その経験から言うと、EA運用で失敗する人の多くは「止めること」が問題なのではなく、「感情で止めること」が問題です。
今回は、EAを途中で停止すると何が起こるのか、そして再開タイミングをどう考えるべきかについて解説します。
EAを停止する人が多いタイミング
まず理解しておきたいのは、多くの人が停止するタイミングは似ているということです。
連敗した時
もっとも多いパターンです。
例えば、
- 3連敗
- 5連敗
- 10連敗
と続くと、「もう通用しないのでは?」と思ってしまいます。
連敗したからといって、すぐに停止するべきとは限りません。連敗と停止判断の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
しかし、バックテスト上で想定されていた連敗であれば、それは正常な範囲かもしれません。
ドローダウンが発生した時
利益が減っていくと誰でも不安になります。
特に、これまで順調だったEAほど、初めてのドローダウンで停止したくなります。
含み損が大きくなった時
含み損は確定損失ではありません。
含み損が発生した時こそ、事前に想定していた範囲なのかを確認することが重要です。
しかし心理的には非常につらいものです。
含み損を見て停止し、その後に利益で決済されるというケースも少なくありません。
EAを途中で止めるとどうなるのか
ここで重要なのは、停止すること自体に良い悪いはないということです。
問題は停止によって何が起こるかです。
利益になるトレードを逃す可能性がある
例えば、EAには得意な相場と苦手な相場があります。
苦手な相場で停止し、得意な相場になった時に動いていなかった。
これはよくあるケースです。
実際、バックテストを見ると、大きな利益の前にドローダウンが発生していることもあります。
停止した瞬間は正しい判断に見えても、結果的に利益機会を逃している可能性があります。
検証データが途切れる
EA運用は検証の継続でもあります。
途中で停止すると、本来取れるはずだったデータが失われます。
例えば、
- どれくらいの連敗まで耐えるのか
- フォワード実績と一致しているのか
- 相場変化に対応できているのか
こうした判断材料が少なくなります。
停止してはいけないという意味ではない
ここは誤解しないでください。
私は、「絶対に停止するな」と言いたいわけではありません。
むしろ停止した方が良いケースもあります。
想定外のドローダウン
例えば、バックテスト最大ドローダウン20%だったEAが、実運用で40%まで落ちた。
ドローダウン更新時の具体的な判断基準については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
こうした場合は、一度立ち止まって確認する価値があります。
ロジックと違う動きをしている
- エントリーがおかしい
- 決済がおかしい
- 想定外のポジションを持っている
こうした場合は停止して確認するべきです。
開発者自身も停止判断を行う
GENESISやAXIS、凜を開発している時も、「この結果は想定内か?」という視点で何度も確認しました。
EA開発とは、利益を追う作業ではなく、異常を発見する作業でもあります。
一番危険なのは感情停止
私が最も危険だと思うのは、感情で停止することです。
例えば、昨日まで利益が出ていた。
今日3連敗した。
不安になった。
停止した。
これはルールではなく感情です。
停止ルールを事前に決める
おすすめなのは、運用前に停止条件を決めておくことです。
例えば、
- ドローダウン○%
- 最大連敗数更新
- フォワードとの乖離
などです。
事前に決めておけば、感情に流されにくくなります。
再開タイミングはどう考えるべきか
実は停止より難しいのが再開です。
多くの人は、停止した後に再開できません。
「戻ったら再開」は危険
よくあるのが、「成績が戻ったら再開しよう」という考え方です。
しかし、成績が戻った頃には、大きな利益部分が終わっていることもあります。
これは、高値で買って安値で売る行動と似ています。
再開条件も事前に決める
停止条件と同じく、再開条件も決めておくべきです。
例えば、
- 相場環境が戻った
- フォワード実績が改善した
- 検証結果で問題が見つからなかった
などです。
そもそもEAの不調が一時的なものなのか、それともロジックの寿命なのかを見極めることも重要です。
再開の基準がないと、停止したまま永久に動かさない状態になることがあります。
GENESIS・AXIS・凜開発で学んだこと
3つのEAを開発する中で強く感じたことがあります。
それは、優秀なEAほど、不調期が存在するということです。
バックテストを見ても、一直線に利益が伸びる期間ばかりではありません。
- 停滞期間
- ドローダウン期間
- 連敗期間
が必ずあります。
もしそのたびに停止していたら、本来得られる利益も取れなくなります。
だからこそ、私たちはバックテスト段階から、「どこまで負けたら異常なのか」を意識していました。
停止判断は、負けたから行うのではなく、想定を超えたから行うものです。
まとめ
EAを途中で停止すると、利益機会を逃したり、検証データが不足したりする可能性があります。
しかし、停止そのものが悪いわけではありません。
重要なのは、
- 感情で止めない
- 停止条件を事前に決める
- 再開条件も決める
- 想定内と想定外を区別する
ということです。
私たちがGENESIS・AXIS・凜を開発する中でも、停止判断は常に重要なテーマでした。
EA運用で本当に大切なのは、「負けたから止める」ではなく、「なぜ止めるのか説明できる状態で止める」ことです。
そして再開も同様に、感情ではなくルールで判断することが長期運用の鍵になります。