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EAを複数の口座で運用する意味はあるのか?リスク分散の考え方

EAを長く運用していると、「口座を分けた方が安全ですか?」という質問をいただくことがあります。

実際に複数口座でEAを運用している方も少なくありません。

一方で、「全部同じEAを動かしているだけなら意味がないのでは?」という意見もあります。

結論から言えば、どちらも正しいです。

複数口座には確かにメリットがあります。

しかし、目的を間違えると管理が面倒になるだけで、リスク分散にはなりません。

今回はEA開発者の視点から、複数口座運用の考え方について解説します。

複数口座にする目的を考える

まず最初に考えたいのは、「なぜ口座を分けるのか」という点です。

実はここが一番重要です。

なんとなく「分けた方が安全そう」という理由だけで口座を増やす方もいます。

しかし、それだけでは意味がありません。

口座を分ける目的として考えられるのは、

  • 資金を分散する
  • EAごとに成績を管理する
  • 異なる証券会社を利用する
  • 異なる運用方針にする

このような理由です。

目的が明確であれば、複数口座には十分意味があります。

同じEAを同じ設定で動かすだけなら意味は薄い

例えば100万円を2つに分け、50万円ずつ同じEAを同じロットで動かしたとします。

この場合、利益もリスクもほぼ半分ずつになります。

トータルで見れば、100万円を1口座で運用した場合と大きな違いはありません。

もちろん証券会社リスクは分散できます。

しかし、EAそのもののリスクは何も変わっていません。

つまり、「口座が増えた=リスク分散」ではないということです。

本当のリスク分散とは

本当の意味でリスク分散になるのは、異なる値動きになるものを組み合わせた時です。

例えば、

  • 異なるロジックのEA
  • 異なる通貨ペア
  • 異なる時間足
  • 異なる証券会社

こうしたものを組み合わせることで、片方の調子が悪くても、もう片方が補ってくれる可能性があります。

投資信託でも、株だけではなく債券や海外資産を組み合わせます。

EAも考え方は同じです。

同じ値動きをするものを増やしても、リスク分散にはなりません。

私が3つのEAを開発して感じたこと

GENESIS・AXIS・凜を開発していて、改めて感じたことがあります。

それは、「同じ開発者が作っても、EAには個性がある」ということです。

例えば、GENESISが苦手な相場でも、AXISは普通に利益を積み上げることがあります。

逆に、AXISが停滞している時に、凜が安定して利益を出すこともあります。

もちろん全く逆になるわけではありません。

相場全体が荒れていれば、どのEAも苦戦することはあります。

しかし、完全に同じ動きをするEAはありません。

だからこそ、開発中も相関を見ながら調整していました。

単体成績だけではなく、複数運用した時の資産曲線まで確認していたのです。

実際に開発してみると、「PFだけ高ければいい」という単純な話ではないことがよく分かります。

複数EAの組み合わせによって、ドローダウンが小さくなるケースも多くありました。

口座を分けるメリット① 管理しやすい

実際に運用していて感じるメリットは、管理のしやすさです。

例えば、A口座はGENESIS、B口座はAXISというように分ければ、月ごとの成績が非常に見やすくなります。

もし1つの口座に複数EAを入れる場合、Magic Numberなどで管理できますが、初心者の方には少し分かりにくいことがあります。

口座単位で管理できる方が、運用状況を把握しやすいでしょう。

口座を分けるメリット② 証券会社リスクを減らせる

もう一つのメリットは、証券会社リスクです。

FX会社にも、

  • メンテナンス
  • サーバートラブル
  • 約定力の違い

などがあります。

万が一、一つの証券会社で障害が起きても、別口座が動いていれば運用を継続できます。

もちろん頻繁に起きることではありません。

しかし、長期運用を考えるなら、こうしたリスクもゼロではありません。

むやみに口座を増やすデメリット

一方で、口座を増やしすぎるデメリットもあります。

例えば、

  • 資金管理が複雑になる
  • 入出金管理が面倒
  • VPS管理が煩雑になる
  • 成績管理に時間がかかる

このような問題があります。

運用効率を考えると、初心者のうちは2〜3口座程度でも十分です。

管理できないほど増やしてしまうと、本来の目的である「楽に運用する」というEAのメリットが薄れてしまいます。

私ならどう運用するか

もし私が100万円でEA運用を始めるなら、次のように考えます。

まずは1口座で運用を開始します。

EAや自分のメンタルに慣れてきたら、別EAを追加するタイミングで口座を分けるか検討します。

つまり、最初から口座を増やすことは考えません。

口座を増やす理由ができた時に増やします。

その方が管理もしやすく、運用方針もブレません。

リスク分散で一番重要なのは資金管理

結局のところ、最も重要なのは口座数ではありません。

資金管理です。

例えば、1口座でもロット管理が適切なら、長期運用できる可能性は高まります。

逆に、5口座に分けても、無理なロットで運用していれば意味はありません。

こちらの記事でも詳しく解説しています。

また、EAを複数運用する場合は、相関や役割も考える必要があります。

こちらの記事も参考にしてください。

まとめ

EAを複数口座で運用すること自体に意味はあります。

ただし、「口座を増やせば安全になる」というわけではありません。

本当に重要なのは、

  • 何のために口座を分けるのか
  • どのリスクを分散したいのか
  • 資金管理ができているか

この3つです。

私自身、3つのEAを開発する中で、単体成績だけではなく複数運用した時の資産曲線も何度も確認してきました。

その経験から言えるのは、リスク分散とは「数を増やすこと」ではなく、「異なる特徴を組み合わせること」です。

口座数にこだわるよりも、まずは自分が管理できる範囲で運用を続けることが、長期的には最も大切だと考えています。

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