FXの自動売買(EA)を運用していると、多くの人が一度はこう考えます。
「このEAだけでずっと稼げるのでは?」
しかし、EA運用を長く続けていると必ず気づきます。
単体EAに依存する運用は非常にリスクが高い。
どんなに優秀なロジックでも、相場には必ず「合う時期」と「合わない時期」があります。
そのためEA運用では、投資と同じようにポートフォリオという考え方が重要になります。
今回は、EAを複数運用する意味と、その考え方について解説します。
EAを1つだけ運用するリスク
EA初心者がよくやってしまうのが、1つのEAに資金を集中させる運用です。
例えばこんなケースです。
・バックテストが優秀
・フォワードでも調子が良い
・月利10%以上
バックテストの見方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
こういうEAを見ると、「これに全資金入れればいいのでは?」と思ってしまいます。
しかしEAは永遠に勝ち続けるものではありません。
どんなロジックにも弱点があります。
例えば
・トレンドEA → レンジ相場で弱い
・逆張りEA → 強トレンドで弱い
・スキャルEA → スプレッド拡大に弱い
つまり、1つのEAで全相場に対応するのは基本的に不可能なのです。
EA運用は「投資ポートフォリオ」と同じ
株や投資信託では、資産を分散するのが基本です。
例えば
・株
・債券
・不動産
・金
のように分散します。
これは、1つが負けても他でカバーするためです。
EA運用も全く同じです。
例えば
EA A
EA B
EA C
という3つのEAを運用した場合Aが負ける相場でもBやCが利益を出す可能性があります。
この状態を作ることで
・ドローダウンの緩和
・収益の安定
・長期運用の実現
が可能になります。
これがEAポートフォリオ運用です。
EA-Labが3つのEAを作った理由
EA-Labでは現在
・GENESIS
・RIN
・AXIS
という3つのEAを開発しました。
これは偶然ではなく、最初からポートフォリオ前提で設計しています。
実際、開発の途中でもこの話は何度も出ました。
「このEA、単体だと良いけど偏りすぎている」
「別のロジックで補完した方がいい」
といった議論です。
その結果、3つのEAは
・ロジック
・取引特性
・トレードのタイミング
がなるべく被らないよう設計しています。
EAを1つ作るより、3つの役割を分ける方が安定するという判断でした。
ポートフォリオEAの理想形
EAポートフォリオを考える時に重要なのは相関性です。
理想は相関が低いEAを組み合わせること。
例えば
EA①
勝率高いが取引少ない
EA②
取引多いが勝率低い
EA③
トレンド相場特化
このように性格が違うEAを組み合わせると
・利益の波が滑らかになる
・最大ドローダウンが減る
・長期安定しやすい
というメリットがあります。
逆に、似たEAばかり集めると意味がありません。
例えば
・全部ナンピンEA
・全部スキャルEA
・全部トレンドEA
これは見た目は分散ですが実際は集中投資です。
EAポートフォリオの資金配分
もう一つ重要なのが資金配分です。
よくあるミスは「全部同じロット」です。
しかしEAは
・勝率
・取引回数
・最大DD
が違います。
そのため資金配分も調整する必要があります。
例えば
安定EA → 資金多め
攻撃EA → 資金少なめ
という配分です。
EA-Labでも最大ドローダウンを基準にロット調整を行っています。
この考え方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
EAは「チーム」で運用する
EA運用を長く続けると、考え方が変わってきます。
最初
「最強EAを探す」
次
「勝てるEAを作る」
最終的には
「EAチームを作る」
になります。
単体EAで完璧を目指すより役割を分けたEAを組み合わせる方が
・安定する
・ドローダウンが小さい
・精神的に楽
です。
EA-Labでも、GENESIS・RIN・AXISは1つのEAではなく、1つのチームとして設計しています。
まとめ
EA運用で長く勝つために重要なのは単体EAではなくポートフォリオ運用です。
重要ポイントは以下です。
・1つのEAに依存しない
・相関の低いEAを組み合わせる
・資金配分を調整する
・チームとして運用する
EAは魔法のツールではありません。
しかし、正しく設計すれば長期で安定した運用は十分可能です。
EA-Labでは、こうした思想をベースにEA開発と検証を続けています。
今後もフォワード結果とともに、EAポートフォリオの実運用データも公開していく予定です。
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EAを評価する際は、プロフィットファクター(PF)だけでなく、最大ドローダウン(DD)や取引回数など複数の指標を総合的に確認することが重要です。まずはこちらの記事をご覧ください。
