EA販売者は何を見てEAを作っているのか?開発者の思考プロセスを公開のアイキャッチ画像
EA開発ログ 2026.05.21 更新: 2026.05.20

EA販売者は何を見てEAを作っているのか?開発者の思考プロセスを公開

EAを見ていると、多くの人は「結果」に目がいきます。

  • PFはいくつか
  • 勝率は高いか
  • 月利はどれくらいか
  • 右肩上がりか

もちろんそれも重要です。

ですが、EA開発者側は、実はもっと違うものを見ています。

むしろ、数字そのものよりも、「なぜその数字になっているのか」をかなり重視しています。

今回は、EA-LabでGENESIS・凜(RIN)・AXISを開発してきた中で、実際にどんな思考でEAを作っているのかを公開します。

たぶん、多くの人が想像しているより、かなり地味です。

そして、かなり「負け」を見ています。

EA開発は「勝ち方」より「死に方」から始まる

まず、多くの人が誤解しているのがここです。

EA開発というと、「どうやって勝つか」を考えているイメージが強いと思います。

ですが、実際は逆です。

最初に考えるのは、「どうやって死ぬか」です。

例えば、

  • 急変動で壊れないか
  • レンジで削られすぎないか
  • 連敗で破綻しないか
  • スプレッド拡大に耐えられるか
  • 相場変化で機能停止しないか

まずここを見る。

EA-Labでも、GENESIS開発時は「どう勝つか」より、「どう崩れるか」をかなり分析しました。

これは実運用を前提にすると避けて通れません。

なぜなら、相場は必ずこちらの想定を壊してくるからです。

最初に見るのは「相場の癖」

EAを作る時、最初にやるのはコードを書くことではありません。

まず見るのは、「相場の癖」です。

例えば、

  • ロンドン時間で伸びやすい
  • 特定曜日で偏りがある
  • トレンド発生時に継続しやすい
  • 一定時間帯だけボラが変わる

こうした特徴を観察します。

GENESISなら、GBPUSDのロンドン時間帯のブレイク特性。

凜なら、時間帯ごとの値動きの偏り。

AXISなら、トレンド継続時の伸び方。

最初は本当に地味な観察作業です。

ロジック設計についての詳しいお話しはこちら。

チャートを見続ける。
データを見る。
異常値を見る。

これを延々繰り返します。

「強い条件」を探しているわけではない

ここもかなり重要です。

EA開発というと、「勝てる条件探し」だと思われがちです。

ですが実際は、「長期で崩れにくい条件探し」に近いです。

例えば、条件を厳しくすれば、バックテストは簡単に綺麗になります。

  • この曜日だけ
  • この時間だけ
  • このボラだけ

こうやって絞れば、PFも勝率も上がる。

ですが、未来では崩れやすくなる。

これはGENESISでも凜でも何度も経験しました。

だからEA-Labでは、強さより余白を重視しています。

多少ズレても死なないこと。

これがかなり重要です。

EA販売者が本当に怖いもの

実は、EA販売者が一番怖いのは「負け」ではありません。

本当に怖いのは、「再現しないこと」です。

例えばバックテストで綺麗でも、

  • フォワードで崩れる
  • リアルで滑る
  • 別ブローカーでズレる

これが起きると、EAとして成立しなくなります。

だからEA-Labでは、

  • バックテスト
  • デモ
  • リアルフォワード

の整合性をかなり重視しています。

AXIS開発時も、バックテストだけならもっとPFを上げられました。

ですが、その状態だとリアルでズレやすくなる。

結果的に、あえて余裕を残した設計にしています。

「綺麗な数字」を疑う癖がつく

EAを開発していると、逆に綺麗すぎる数字を疑うようになります。

例えば、

  • PF2.5
  • DD3%
  • 勝率85%
  • 右肩上がり一直線

こういうもの。

もちろん本当に優秀なケースもゼロではありません。

ですが、多くの場合、

  • 取引回数不足
  • 過剰最適化
  • 特定相場依存
  • 未来耐性不足

が潜んでいます。

実際、GENESIS開発でも、PF1.5以上を出せるパターンはありました。

ただ、そういうものほど未来で崩れやすかった。

だからEA-Labでは、PF1.2前後をかなり現実的なラインとして見ています。

PF1.2について、数値としての判断をまとめた内容はこちら。

凜(RIN)開発で痛感した「削る難しさ」

凜は、かなり引き算が難しかったEAです。

アノマリー系は、条件を足せば足すほど綺麗になります。

ですが、その分、

  • 再現性
  • 柔軟性
  • 未来耐性

が落ちる。

開発途中では、「この条件を追加すればもっと勝てる」という場面が何度もありました。

ですが最終的には、かなり削っています。

削った内容と理由についてはこちらをご参照ください。

理由はシンプルで、残しすぎると壊れるから。

これは実際に開発しないと、なかなか見えない感覚かもしれません。

EA開発は「諦める作業」でもある

意外かもしれませんが、EA開発は捨てる作業でもあります。

  • もっと利益を伸ばしたい
  • もっとPFを上げたい
  • もっとDDを減らしたい

こう思っても、全部は取れません。

例えば、

PFを上げる

取引回数が減る

再現性が落ちる

DDを減らす

利益も減る

利益を伸ばす

急変動耐性が落ちる

こうしたトレードオフが必ずあります。

だからEA開発は、「どこで妥協するか」を決める作業でもあります。

AXISで固定ロットを選んだ理由

AXIS開発では、ロット設計でもかなり悩みました。

最初は可変ロットも検討しています。

ですが、実際に検証していくと、

  • 相場依存性
  • 急変時リスク
  • 資金変動の荒さ

が大きくなりやすかった。

結果的に、「固定ロットの方が再現性が高い」という判断になりました。

固定ロットについて詳しくはこちら。

これは見栄えだけなら、可変ロットの方が良い場面もあります。

ですがEA-Labでは、綺麗さより壊れにくさを優先しています。

EA販売者は「未来」を見ている

これはかなり大事です。

バックテストは過去です。

ですが、EA販売者が本当に見ているのは未来。

つまり、「このEAは3年後も動いているか?」です。

  • 相場変化に耐えられるか
  • 急変動で死なないか
  • ブローカー環境が変わっても崩れないか

ここを見る。

EA-Labで深めるを重視しているのも、ここが理由です。

数を増やすより、長く生き残るEAを作りたい。

その思想がかなり強いです。

EA-Labの考え方についてはこちらもご参照ください。

「勝てるEA」より「続けられるEA」

これは運用者側にも関係します。

実際、どれだけ優秀なEAでも、

  • DDに耐えられない
  • 途中停止する
  • ロットを変える
  • 不安で外す

これをやると崩れます。

だからEA-Labでは、「続けられる設計」をかなり重要視しています。

GENESISも凜もAXISも、派手さより継続性を優先しています。

開発者が最後に見ているもの

最終的に、EA開発者が見ているのは「数字」ではありません。

見ているのは、

  • 再現性
  • 継続性
  • 壊れ方
  • 未来耐性
  • 運用しやすさ

です。

バックテストは、その確認材料のひとつに過ぎません。

本当に重要なのは、「リアルで長く生き残れるか」。

EA-Labでは、そこをかなり重視しています。

まとめ

EA販売者は、単純に「勝てる条件」を探しているわけではありません。

実際には、

  • どう崩れるか
  • どこまで耐えられるか
  • 未来でも再現するか

をかなり重視しています。

GENESIS・凜・AXISの開発でも、最終的に残ったのは、綺麗すぎないが、生き残れるロジックでした。

EAは、短期で爆発するものより、「長く壊れないもの」の方が、最終的には価値があります。

バックテストの数字だけではなく、その裏側にある設計思想まで見えるようになると、EA選びの精度はかなり変わってきます。

上部へスクロール