EAを見ていると、ほぼ必ず書かれているのが「推奨証拠金」です。
例えば、
- 推奨証拠金10万円
- 最低証拠金5万円
- 30万円推奨
こういった表記。
ですが、EAを実際に運用してみると、多くの人がある疑問にぶつかります。
「これ、本当に安全なのか?」
結論から言うと、推奨証拠金は最低ラインであることがかなり多いです。
つまり、「その金額なら動かせますよ」であって、「安心して長期運用できますよ」とは別の話です。
今回は、GENESIS・凜(RIN)・AXISを開発してきた中で実際に考えていることも交えながら、「推奨証拠金」の本当の意味と、安全運用との違いを解説します。
推奨証拠金=安全ラインではない
まずここを勘違いしている人はかなり多いです。
推奨証拠金というのは、多くの場合、「そのEAが動作可能な最低限の資金」です。
つまり、
- ロスカットされにくい
- 必要証拠金を満たす
- 最低限DDに耐えられる
という意味。
逆に言えば、
- 精神的に余裕がある
- 長期で安定運用できる
- 急変動にも耐えやすい
とは限りません。
ここを混同すると、かなり危険です。
なぜ推奨証拠金は低めに見えるのか
理由はシンプルです。
見栄えが良くなるから。
例えば、「推奨10万円で月利10%」と、「推奨100万円で月利10%」では、前者の方が魅力的に見えます。
実際、多くの人は「少額で大きく増やしたい」と考えます。
だから販売側としても、どうしても低めに見せたくなる。
これは業界全体としてかなりあります。もちろん全部が悪意ではありません。
ただ、「最低ライン」と「安全ライン」は分けて考える必要があります。
EA-Labが重視しているのは「継続性」
EA-Labでは、推奨証拠金を考える時、「どれだけ増えるか」より、「どれだけ続けられるか」を重視しています。
例えばGENESIS。
理論上はかなり少額でも動かせます。
ですが、それだとDD時の精神負荷がかなり大きくなる。
特にGBPUSDはボラティリティが高いので、短期間で連敗することも普通にあります。
すると、
- 怖くなる
- 途中停止する
- ロットを下げる
- EAを外す
こうなりやすい。
つまり、資金不足はメンタル崩壊を引き起こします。
これは実運用ではかなり大きいです。
開発者が本当に見ているのは「最悪ケース」
EA開発時、実は一番見るのは最悪ケースです。
例えば、
- 最大DD更新
- 連敗
- 急変動
- スプレッド拡大
- 異常相場
最大DDって何?という方はこちらも合わせてご覧ください。
この時、どれくらい資金が減るか。
GENESIS・凜・AXISすべてで、かなり厳しめに確認しています。
なぜなら、リアル運用では必ず想定外が起きるから。
バックテスト通り一直線に増えることは、まずありません。
だからEA-Labでは、「ギリギリ耐える資金」ではなく、「余裕を持って耐えられる資金」をかなり重視しています。
凜(RIN)で感じた「余裕資金」の重要性
凜はアノマリー系なので、比較的安定しやすいタイミングがあります。
ですが逆に、噛み合わない時期は停滞しやすい。
開発中も、「数週間ほぼ利益が出ない」という期間が普通にありました。
この時、証拠金が少ないと、人はかなり不安になります。
- 本当に動いているのか
- 壊れたのではないか
- 停止した方がいいのではないか
こう考え始める。
ですが、余裕資金があると、比較的冷静でいられる。
実際、EA運用ではこの“精神的余裕”がかなり重要です。
AXISで固定ロットを選んだ理由とも関係している
AXISでは、最終的に固定ロットを採用しました。
理由のひとつが、「資金変動を読みやすくするため」です。
可変ロットは、確かに伸びる時は強い。
可変ロット、つまり複利運用についての判断基準はこちら。
ですが、
- DD拡大
- 急変時の損失増加
- ロット急上昇
が起こりやすい。
つまり、推奨証拠金ギリギリでやると、一気に危険になる。
だからEA-Labでは、長く続けられる資金設計をかなり重視しています。
推奨証拠金と安全運用は別物
ここを整理するとわかりやすいです。
推奨証拠金
「EAが最低限動くライン」
安全運用資金
「長期で継続しやすいライン」
これは別です。
例えば、
推奨10万円
安全運用30〜50万円
こういうケースは普通にあります。
特に、
- 高ボラ通貨
- ナンピン系
- 高頻度EA
- 短期スキャル系
は余裕資金がかなり重要です。
「耐えられる」と「続けられる」は違う
これもかなり重要です。
例えばDD30%。
理論上は耐えられるとしても、実際に30万円が21万円になると、かなり怖い。
人によっては停止します。
つまり、
数値上耐えられる
と、
実際に継続できる
は全く別です。
EA-Labでは、後者をかなり重視しています。
なぜなら、途中停止すると、EA本来の期待値が崩れるからです。
少額スタート自体は悪くない
ここは誤解しないで欲しい部分です。
少額スタート自体は悪いことではありません。
始めるのに必要な資金としての記事でもその事はまとめています。
むしろ初心者の方は、
- MT5に慣れる
- EA運用に慣れる
- DDを経験する
- 自分の許容リスクを知る
という意味で、少額はかなり良いです。
問題は、「少額なのに大きく増やそうとする」こと。
これをやると、ロットが無理になります。
ロットの適切な設定についてはこちら。
結果的に、破綻リスクが一気に上がる。
EA販売ページの数字は「理想条件」が多い
ここもかなり大事です。
販売ページの推奨証拠金は、多くの場合、
- 理想スプレッド
- 理想約定
- 理想環境
で計算されています。
ですがリアルでは、
- スリッページ
- 急変動
- 約定ズレ
- VPS遅延
が発生します。
つまり、実運用はもっと厳しい。
だからEA-Labでは、「少し余裕を持ちすぎるくらい」をむしろ推奨しています。
本当に安全なEA運用とは
EAのリスクをまとめた記事はこちら。
安全運用で重要なのは、「一撃で増やすこと」ではありません。
重要なのは、
- ロスカットされない
- 継続できる
- 精神的に壊れない
- DDに耐えられる
- 長く続けられる
です。
GENESIS・凜・AXISも、結局ここをかなり重視しています。
派手さより、生存率。
これはEA-Lab全体の思想でもあります。
推奨証拠金を見る時のポイント
EAを見る時は、単純に数字だけではなく、
- 最大DD
- ロット設定
- 通貨特性
- 取引頻度
- 急変動耐性
もセットで見るのがおすすめです。
特に、「推奨10万円で月利30%」のようなものは、裏側のリスクも必ず確認した方がいいです。
まとめ
EAの推奨証拠金は、必ずしも安全運用ラインではありません。
多くの場合、「最低限動作するライン」です。
実際の長期運用では、
- DD耐性
- 精神的余裕
- 急変動対応
- 継続性
まで考える必要があります。
EA-Labでも、GENESIS・凜・AXISを開発する中で、「どれだけ増えるか」より、「どれだけ続けられるか」をかなり重視するようになりました。
EA運用で本当に大切なのは、生き残ること。
推奨証拠金を見る時も、ぜひその視点を持ってみてください。