EA販売者が“公開しない数字”とは?見るべきバックテスト項目を解説のアイキャッチ画像
EA検証 2026.06.03 更新: 2026.06.02

EA販売者が“公開しない数字”とは?見るべきバックテスト項目を解説

EAを探していると、多くの販売ページには似たような数字が並んでいます。

  • 勝率
  • PF
  • 月利
  • 最大ドローダウン

そして、綺麗な右肩上がりの資産曲線。

一見すると十分な情報が公開されているように見えます。

ですが、EAを実際に開発している立場から見ると、「そこじゃないんだけどな…」と思うことが少なくありません。

なぜなら、本当に重要な数字ほど公開されていないことが多いからです。

もちろん、意図的に隠しているケースもあれば、単純に利用者が見ないから載せていないケースもあります。

ですがEA選びで失敗したくないなら、表面の数字だけで判断してはいけません。

今回は、GENESIS・凜(RIN)・AXISの開発を通して見えてきた、「販売ページでは目立たないけれど本当に重要な数字」を解説します。

勝率は公開されるが、その中身は公開されない

まず代表例が勝率です。

例えば、

勝率80%

と書かれていたとします。

初心者の頃の私なら、「めちゃくちゃ勝ってるじゃん」と思っていたはずです。

ですが今なら最初にこう考えます。

「何回のトレードで?」です。

勝率80%でも、10回中8勝なのか、1000回中800勝なのかで意味が全く違います。

実際、GENESIS開発中も条件を絞れば勝率80%近くになることはありました。

ですが取引回数が激減する。

結果として再現性が下がる。

だから最終的には採用しませんでした。

勝率を見る時は、必ず取引回数とセットで見る必要があります。

トレード回数についてはこちらも参考にしてください。

PFだけ見せて取引回数を見せない

これも非常に多いです。

例えば、

PF2.0

という数字。

一見すると素晴らしく見えます。

ですが、

・取引回数50回
・期間10年

ならどうでしょう。

統計的にはかなり弱いです。

実際、EA開発ではPFを上げること自体はそこまで難しくありません。

条件を厳しくすれば簡単に上がります。

しかし、

・未来でも再現するか
・サンプル数は十分か

は別問題です。

EA-LabでPF1.2前後を重視しているのも、取引回数や再現性を重視しているからです。

最大DDの「期間」が公開されない

販売ページで最大DDはよく見ます。

例えば、

最大DD10%

という数字。

最大DDについて詳しくはこちら。

ですが本当に知りたいのは、「どれくらいの期間苦しんだか」です。

例えば、10%DDが3日で回復したEAと、10%DDが半年続いたEAでは全く意味が違います。

運用者が途中で停止するのは、多くの場合DD率ではありません。

停滞期間です。

実際、凜のフォワードでも停滞期間はありました。

ですが想定内でした。

重要なのは、「その停滞が異常なのか」を判断できることです。

月利は公開されるがリスクは公開されない

これは業界全体の課題かもしれません。

月利20%

月利30%

月利50%

こうした数字はよく見ます。

ですが、その裏でどれだけリスクを取っているかはあまり語られません。

例えば、

  • ロット倍率
  • レバレッジ
  • DD
  • 資金管理

によって月利は簡単に変わります。

極端な話、ロットを10倍にすれば月利も10倍近くになります。

つまり、月利が高い=優秀ではありません。

GENESIS・凜・AXISでも、ロットを上げれば数字はもっと派手になります。

ですが、それはEAが優秀になったわけではありません。

フォワードとの乖離率

実は開発者がかなり重視している数字です。

ですが販売ページではあまり見かけません。

例えば、

バックテストPF1.3

フォワードPF1.25

なら優秀です。

逆に、

バックテストPF2.0

フォワードPF0.9

なら危険です。

EA-Labでフォワードを重視している理由もここにあります。

本当に強いEAは、バックテストとリアルが極端にズレません。

フォワードテストの見方について詳しくはこちら。

開発者が見ているのは「崩れ方」

GENESIS開発時に特に意識していたのがこれです。

勝つ時ではなく、負ける時を見る。

例えば、

  • 連敗数
  • DD発生条件
  • 急変動時
  • スプレッド拡大時

ここを見ています。

販売ページでは、「最大利益」は載っていても、「最悪ケース」はほとんど載っていません。

ですが運用者にとって重要なのは後者です。

凜(RIN)で重視した停滞期間

凜はアノマリーEAです。

アノマリー系はどうしても相場との相性があります。

そのため開発中は、「何ヶ月停滞する可能性があるか」をかなり見ました。

これはPFや勝率だけではわかりません。

むしろ、停滞期間の方が精神的には辛い。

EA販売ページでここまで説明されているケースは多くありません。

ですが、実際の運用ではかなり重要です。

AXISで重視した取引の偏り

AXISはトレンドフォロー型です。

そのため、利益の大半が数回の大勝ちという構造になりやすい。

この時見るべきなのが、利益分布です。

例えば、100回トレードして、利益の80%が3回で作られている。

こうした特徴を理解していないと、その3回を逃しただけで期待値が変わります。

ですが、この数字も販売ページには載りません。

本当に見るべきバックテスト項目

EA-Lab視点で重要度が高い順に並べると、

①取引回数

②最大DD

③PF

④フォワードとの整合性

⑤停滞期間

⑥利益分布

⑦勝率

くらいのイメージです。

意外かもしれませんが、勝率はそこまで上位ではありません。

なぜなら勝率だけでは何も判断できないからです。

バックテストの見方についてはこちらでも詳しく解説しています。

公開されていない数字を想像する

EA選びで大切なのは、書かれている数字を見ることではなく、書かれていない数字を想像することです。

例えば、

PF2.0

を見たら、

  • 取引回数は?
  • 期間は?
  • フォワードは?
  • DD期間は?

と考える。

これだけでも見える世界はかなり変わります。

数値の見方についてはこちらでも解説しています。

EA-Labが数字を出す時に考えていること

GENESIS・凜・AXISを作る中で、私たちが意識しているのは、「良い数字を見せること」ではありません。

「運用者が判断できる情報を出すこと」

です。

だから、PFだけではなく、

  • 取引回数
  • DD
  • フォワード
  • ロジック特性

まで説明するようにしています。

実際に運用する人にとって大事なのは、綺麗な数字ではなく、現実だからです。

まとめ

EA販売ページで公開される数字は、あくまで一部です。

本当に重要なのは、

  • 取引回数
  • DD期間
  • フォワード整合性
  • 利益分布
  • 停滞期間

などの「見えない数字」です。

GENESIS・凜・AXISを開発してきて感じるのは、強いEAほど派手な数字ではなく、地味な数字の積み重ねで評価されるということです。

バックテストを見る時は、「何が書かれているか」だけでなく、「何が書かれていないか」にも注目してみてください。

それだけでEA選びの精度は大きく変わります。

上部へスクロール