EAを探していると、よく見かけるのがこんな数字です。
- PF2.0
- PF3.0
- 勝率90%
- 月利50%
一方で、EA-LabのGENESISやAXISを見ると、「PF1.2って低くないですか?」という質問をいただくことがあります。
正直、その気持ちはよくわかります。
数字だけを見れば、PF3.0の方が圧倒的に魅力的に見えるからです。
ですが、実際にEAを開発し、長期で運用しようとすると見え方は大きく変わります。
むしろ開発者視点では、「PFが高すぎるEAの方が怖い」ことも少なくありません。
今回は、なぜEA-LabがPF1.2前後を重視しているのか、そしてなぜ爆益EAが危険なのかを開発者目線で解説します。
そもそもPFとは何か
まず簡単におさらいです。
PF(プロフィットファクター)は、
総利益 ÷ 総損失
で計算されます。
例えば、
利益120万円
損失100万円
ならPF1.2です。
つまり、負け1に対して勝ち1.2という状態。
数字だけ見ると、「たった20%しか上回ってない」ように見えます。
しかし実際には、これを長期間維持するのは簡単ではありません。
PF1.2は思った以上に強い
多くの人は、
PF1.2
↓
弱そう
と感じます。
ですが、実際に考えてみてください。
10年間、数百回、場合によっては1000回以上のトレードを行いながら、利益が損失を20%上回り続ける。
これを継続できるロジックは、実はかなり優秀です。
PF1.2が低いのかという議論をまとめた記事もあるのでご参考にどうぞ。
相場は常に変化します。
- コロナショック
- 円安相場
- 低ボラ相場
- 高ボラ相場
- 利上げ局面
これらすべてを乗り越えてPF1.2を維持できるなら、それは十分価値があります。
開発者はPFを上げる方法を知っている
実はPFを上げること自体は、それほど難しくありません。
GENESIS開発時もそうでした。
条件を絞れば、
PF1.4
PF1.5
程度までは簡単に上がります。
例えば、
- 曜日を限定する
- 時間帯を限定する
- ボラ条件を厳しくする
こうすると負けトレードが減る。
結果としてPFは上がります。
ですが問題があります。
未来で再現しなくなるんです。
GENESISの仕様についてはこちらでも詳しく紹介しています。
PFが高くなるほど未来に弱くなる
ここが非常に重要です。
相場は毎日変わります。
つまり、「過去に最適化された条件」は未来ではズレる可能性があります。
PF2.0のEAがあったとして、その理由が「2022年に最適化したから」なら危険です。
実際、GENESIS開発中も、PFだけを見るならもっと高い数字は作れました。
ですがフォワードテストで崩れる。
何度も経験しました。
だから最終的に残ったのは、「少し余裕を持たせた設計」でした。
凜(RIN)開発で学んだこと
凜はアノマリーEAです。
アノマリーは条件を追加すると、どんどん綺麗になります。
例えば、
- この曜日だけ
- この日付だけ
- この時間だけ
というように絞れば、バックテストは驚くほど綺麗になる。
PFも上がる。
勝率も上がる。
ですが、その代わり取引回数が減ります。
未来で条件が少しズレるだけで機能しなくなる。
実際に凜の開発では、「数字は良いけど採用しなかったロジック」が大量にあります。
理由はシンプルです。
長期で生き残れないと判断したからです。
AXISが教えてくれた再現性の重要性
AXISはトレンドフォロー型です。
開発中、PF1.3以上になる設定もありました。
ですが、
- 取引回数減少
- フォワード悪化
- 相場依存性増加
が起きました。
結果として、多少PFが下がっても、
・再現性
・安定性
・継続性
を優先しています。
これは開発者にならないと気付きにくい部分かもしれません。
爆益EAが危険な理由
ここからが本題です。
なぜ爆益EAは危険なのか。
理由は大きく3つあります。
理由① リスクも爆増している
月利50%ということは、裏側でかなり大きなリスクを取っています。
例えば、
・ロットが大きい
・ナンピンしている
・損切りが浅い
・損切りが無い
など。
利益だけ見れば魅力的ですが、大きなDDが隠れているケースは非常に多いです。
理由② 特定相場依存になりやすい
爆益EAの多くは、「この相場なら強い」というロジックです。
逆に言えば、環境が変わると急激に弱くなる。
長期運用ではかなり危険です。
理由③ 継続できない
実はここが一番大きいです。
例えば、
月利50%
最大DD40%
のEA。
理論上は儲かります。
ですが実際に資金が40%減った時、多くの人は止めます。
つまり期待値を回収できない。
EAは続けて初めて意味があります。
EA-LabがPF1.2を重視する理由
EA-Labでは、PFだけを追いかけていません。
見ているのは、
- PF
- DD
- 取引回数
- フォワード
- 継続性
このバランスです。
例えば、
PF1.2
DD10%
取引1000回
と、
PF2.0
DD40%
取引100回
なら、
前者を高く評価します。
なぜなら再現性が高いからです。
PFだけでEAを選ぶと失敗する
これは本当に多いです。
初心者ほど、PFだけを見ます。
ですが、PF1.5でも破綻するEAはあります。
参考記事はこちら。
逆に、PF1.1でも長期で利益を積み上げるEAもあります。
重要なのは、「なぜそのPFになっているか」です。
数字だけでは、本質は見えません。
開発者が最後に見るもの
GENESIS、凜、AXIS。
3つのEAを作ってきて感じるのは、最終的に見るのはPFではないということです。
見るのは、
- 未来でも動くか
- フォワードで崩れないか
- 利用者が続けられるか
です。
フォワードの大切さ、見方に関してはこちらをどうぞ。
どれだけ数字が綺麗でも、半年後に壊れるなら意味がありません。
だからEA-Labでは、「爆益」より、「生存率」を重視しています。
まとめ
PF1.2は決して低い数字ではありません。
むしろ、
- 長期間
- 多くのトレード
- 様々な相場環境
を乗り越えて維持できるなら、かなり優秀な数値です。
一方で、
- PFが高すぎる
- 勝率が高すぎる
- 月利が高すぎる
EAには注意が必要です。
本当に重要なのは、「どれだけ儲かるか」ではなく、「どれだけ長く生き残れるか」。
EA-Labでは、これからもその考え方を大切にしながらEAを開発していきます。